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空き家を売却する際の注意点と手続き完全ガイド

空き家を売却する際の注意点と手続き完全ガイド

 近年、空き家問題が深刻化し、多くの所有者が売却を検討しています。しかし、空き家を売却する際には、適切な手続きや法的な注意点を理解しておくことが重要です。本記事では、空き家売却の流れやポイント、注意すべき点を5つのテーマに分けて詳しく解説します。安心して空き家を売却するための参考にしてください。

1.空き家売却の基礎知識

 空き家を売却する際には、まず基本的な知識を押さえておくことが重要です。例えば、空き家に対する固定資産税の優遇措置や「空き家特例」を活用することで税負担を軽減できる場合があります。空き家を売却するメリットやデメリット、関連する法律や税制について理解しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
 この章では「空き家対策特別措置法」や「譲渡所得税」など、空き家売却における税金、法制度、市場動向などの基本知識を解説し、スムーズな売却の第一歩をサポートします。

1-1 空き家を売却することで得られる経済的・社会的メリットと見逃せないデメリット

 空き家を売却することで得られる最大のメリットは、固定資産税や維持管理費などの経済的負担から解放される点です。また、売却によって得た資金を他の投資や生活費に充てることも可能により経済的メリットがあります。更に使われていない建物が新たな所有者の元で再利用されることは社会的価値も大きいです。

 しかし、売却時に仲介手数料や修繕費、譲渡所得税などの税金が発生する場合、また希望価格で売却できないリスクや買主がすぐに見つからないリスクもあり手元に残る金額が予想より少ないことがあります。また、思い出の詰まった家を手放す心理的な負担や、希望通りの売却価格が得られないリスクも存在します。特に親族間で共有している物件の場合、意見の食い違いがトラブルに発展する可能性も考慮する必要があります。

 売却の決断を下す前に、経済的側面、心理的負担、地域社会への影響を含めた総合的な判断が重要です。

1-2 空き家売却を成功させるために知っておくべき法的規制・税制優遇・行政支援策

 空き家の売却には法律や規制が密接に関わっています。代表的なものとして「空き家対策特別措置法」があり、適切に管理されていない空き家は「特定空き家」に指定され、固定資産税が増額されるリスク(固定資産税が最大6倍)があります。さらに、空き家を売却する際には「宅地建物取引業法」に基づいた契約手続きが必要です。

 不動産売買契約書や重要事項説明書などの法的書類を正確に作成しなければ、後のトラブルの原因となります。また、税制面では「譲渡所得税」や「3,000万円特別控除」といった「譲渡所得税の軽減措置」など、知っておくべき優遇措置が多数存在します。優遇措置がある一方、適用条件を満たさないと多額の税金が発生することもあります。加えて、土地や建物に抵当権が設定されている場合や、未登記物件の場合には法的な手続きが複雑化します。さらに、自治体ごとに異なる支援制度や補助金制度も存在するため、事前にしっかりと情報収集を行うことが重要であり空き家バンクの活用も効果的です。

2.空き家売却前に行う準備

 空き家をスムーズに売却するためには、いくつかの重要な準備が必要であり事前準備が欠かせません。まず、売却に必要な書類の準備と物件の現状を正確に把握するために、不動産査定や建物の劣化状況の確認を行いましょう。また、登記簿や権利証の確認、必要に応じた相続登記の完了も重要です。さらに、老朽化が進んだ空き家では、取り壊しを行うか、そのまま売却するかの選択が求められることもあります。
 物件の状態確認や必要な修繕、また、現地調査や市場価格の相場確認も成功への鍵となり、周辺環境や市場の需要に応じて最適な方法を選ぶことがポイントです。
 
 この章では、売却前に準備すべき手続きや確認事項について詳しく解説します。

2-1 空き家の売却前に必ず行いたい現状確認と資産価値を維持する修繕のコツ

 空き家を売却する前に、建物や土地の状態を正確に把握することは非常に重要です。特に老朽化した建物は、雨漏りやシロアリ被害、給排水設備の故障が発生しているケースが多く、これらを放置したまま売却を進めると買主とのトラブルに発展する可能性があります。現状確認では、専門業者によるインスペクション(建物診断)を活用することが有効です。売却前に最低限の修繕を行うことで、物件の印象を良くし、売却価格を高めることが期待できます。

 空き家の状態が悪いと売却価格が下がるだけでなく、売却自体が難航することもあります。売却前には空き家の状態をしっかり確認し、必要に応じて必要最低限の修繕を行うことで資産価値を最大化できます。ただし、過度な修繕はコストがかさみ、利益を圧迫する可能性もあるため、修繕の優先順位を見極めることが重要です。例えば、外観だけを修繕して内部の老朽化を放置すると、後から大きなトラブルにつながる可能性があります。さらに、土地部分の現状確認も欠かせません。隣地との境界線や権利関係をしっかり確認し、不明瞭な点があれば解決しておくことが求められます。

2-2 空き家売却をスムーズに進めるための必要書類と事前調査のポイント

 空き家を売却するためには、登記簿謄本、建築確認書、固定資産税納税通知書、身分証明書、境界確認書など、多くの書類が必要です。また、事前調査では土地や建物の権利関係、抵当権の有無、境界線の確認、近隣トラブルの確認が不可欠です。特に未登記物件や相続登記が未完了の場合、法的手続きが必要になるため、早めに対応することが重要です。さらに、共有名義の場合は他の所有者の同意が得られるかなども確認する必要があります。

 事前調査を怠ると、契約締結後に重大な問題が発覚し、トラブルに発展する可能性が高まります。調査には不動産会社の協力が必要不可欠です。売買を専門に業務を行っている不動産会社を選び、信頼できる担当者にお任せしましょう。

 当社・八幡地所株式会社は流山市をメインとした東葛エリアに特化した不動産売買専門会社です。また、代表取締役の渋谷は相続鑑定士の資格を取得した不動産の相続相談を積極的に行わせていただいております。

3.空き家売却の方法と選択肢

 空き家を売却する方法にはいくつかの選択肢があります。主な方法としては、不動産仲介業者を通じた売却、不動産買取業者による直接買取、自治体やNPOへの譲渡などが挙げられます。仲介売却は高値で売れる可能性がありますが、売却まで時間がかかることが多く、一方で買取業者を利用すれば迅速な売却が可能ですが、価格はやや低めになる傾向があります。各方法にはメリット・デメリットがあるため、物件の状態や売却目的に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。

 この章では、空き家売却の主要な方法とそれぞれの特徴を解説します。

3-1 空き家売却を不動産会社に依頼する際に失敗しないための業者選び

 空き家を売却する際、不動産会社を利用することは一般的であり、多くのメリットがあります。まず、不動産会社は市場価格や地域相場に基づいた適切な査定を行い、売却の戦略を立ててくれます。さらに、広告活動や購入希望者との交渉、契約書類の作成など、専門知識が求められる手続きを代行してくれるため、売主の負担が軽減されます。しかし、不動産会社の選定を誤ると、売却が長引いたり、希望価格で売れなかったりするリスクもあります。

 不動産会社を選ぶ優良な不動産会社を見極めるポイントとして、複数社に査定を依頼し、販売戦略や実績と口コミ、担当者の対応力と知識・経験値を比較することが重要です。不動産会社によっては賃貸を主にしている会社もあれば、売買を主にしている会社がありますから、売買に特化した不動産会社の選定がよろしいです。また、媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれの契約形態にはメリット・デメリットがあります。売却の目的や状況に応じて最適な契約を選ぶことが求められます。
 
 当社・八幡地所株式会社は流山市をメインとした東葛エリアに特化した不動産売買専門会社です。さらに流山市を専門に空き家を管理しております。詳細はこちらをご参照ください。

3-2 自己売却を成功させるために必要な知識と避けるべきリスク

 自己売却(個人間売買)は、不動産会社を介さないため、仲介手数料を節約できるという大きなメリットがあります。しかし、売却価格の適正な設定、広告活動や購入希望者の募集、契約書類の作成、税金や法的手続き、買主との交渉など多くの手間とリスクが伴う事をすべて自分で行わなければなりません。
 特に不動産売買契約書の作成や法的トラブルの回避には専門知識が必要であり、誤りがあると後に大きな損害を招く可能性があります。また、購入希望者との交渉において冷静かつ論理的に対応する必要があり、感情的になってしまうと交渉が決裂するリスクも高まります。さらに、個人売買では広範な広告活動が難しく、買主がなかなか見つからないケースもあります。

 安全に自己売却を進めるためには、司法書士や税理士などの専門家と連携し、手続きをサポートしてもらうことが効果的です。個人間売買ではリスクが伴うことをご認識ください。

4.空き家売却時の手続きの流れ

 空き家を売却する際には、いくつかの手続きを順序立てて進める必要があります。まずは不動産査定を行い、売却価格を設定します。その後、不動産会社との媒介契約を結び、売却活動を開始します。購入希望者が現れたら売買契約を締結し、物件の引き渡しを行います。
 さらに、売却後には譲渡所得税の申告や納税など、税務手続きも発生します。これらの流れを一つずつ正確に進めることで、トラブルを防ぐことができます。

 この章では、空き家売却の具体的な手続きの流れについて詳しく解説します。

4-1 空き家売却における売却活動から契約締結までの具体的ステップと注意点

 空き家を売却する際の手順は大きく分けて「物件査定」、「広告掲載」、「内見対応」、「価格交渉」、「契約締結」といったステップで進みます。まず、適正な価格設定が重要です。相場より高すぎると売却が長引き、低すぎると利益を損ないます。次に、不動産会社と連携し、インターネットや広告媒体を活用して購入希望者を募ります。内見時には、物件を清潔に保ち、良い印象を与えることがポイントです。購入希望者が現れ条件が合意に達すれば売買契約を結びます。

 特に内見時の対応や条件面の交渉は売却結果に大きく影響します。それぞれの段階で注意点や成功のコツがあり、見落としが後のトラブルにつながることもあります。この契約では、重要事項説明や契約書類の確認が欠かせません。契約内容に不備があるとトラブルの原因になるため、慎重に確認する必要があります。また、契約締結後は引き渡し準備や残代金の精算が必要です。

 注意点で最も気を付けたいのが「物件査定」における査定額です。査定額を高めに提示して売却の依頼を受ける不動産会社がいます。高額査定がいけない事ではなく、提示された査定額に根拠があり確かな情報の提供があるかどうかです。根拠のない高額査定額を提示した会社は売却の販売を開始した後、販売価格の値下げを持ち掛け、売却期間が長引き、想定の売却価格を下回る結果になる事もあります。

 依頼する不動産会社の選定で大切な事は査定価格の高さではなく、根拠があり裏付ける情報の提供がある妥当な査定価格であるかです。

4-2 売却後の税金と費用について

 空き家を売却した後には、さまざまな税金や費用が発生します。代表的なものには「譲渡所得税」「住民税」「登録免許税」などがあり、これらは売却益に応じて課税されます。しかし、「3,000万円特別控除」や「軽減税率」の適用条件を満たせば、税負担を大幅に軽減できることもあります。

 これらの税金や費用を事前に把握し、節税対策を講じることで経済的負担を軽減することが可能です。また、不動産会社への仲介手数料や司法書士への依頼費用なども必要です。これらの税金や費用は売却価格から差し引かれるため、事前に正確に把握しておくことが重要です。さらに、売却後に想定外の税金が発生し、手元に残る金額が大幅に減るケースもあるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

5.空き家売却でよくあるトラブルと対策

 空き家売却では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。代表的なものとしては、売却後に物件の瑕疵(雨漏りやシロアリ被害など)が発覚し、損害賠償を請求されるケースや、買主との契約内容の食い違いによるトラブルが挙げられます。
 また、相続人間での意見の対立や手続きの遅延もよくある問題です。これらのトラブルを防ぐためには、事前に物件調査を徹底し、契約書の内容を明確にしておくことが重要です。

 この章では、よくあるトラブル事例とその具体的な対策方法を紹介します。

5-1 空き家売却で起こりやすい査定金額のズレと価格交渉

 空き家売却では、売主と買主、または不動産会社との間で価格に関するトラブルが頻繁に発生します。例えば、売主が希望する売却価格と査定価格に大きな差がある場合や、買主が値引きを強く要求するケースが挙げられます。さらに、不動産会社による査定価格と実際の売却価格の乖離や、契約締結後の価格交渉、相場より著しく高いまたは低い価格設定が原因でトラブルが発生することがあります。これを防ぐためには、事前に適正な査定を受け適正な相場価格を把握することが重要です。

 また、買主との交渉では感情的にならず、合理的な根拠を提示しながら柔軟に対応する姿勢が求められます。さらに、契約書には価格や交渉条件を明確に記載し、後から「言った・言わない」のトラブルを防ぐ工夫も必要です。

5-2 空き家売却契約で発生しやすい不履行のリスク

 空き家売却契約における不履行トラブルは、代金の支払い遅延、物件の引き渡し拒否、契約内容の認識違いなど、さまざまな要因から発生します。例えば、買主が住宅ローン審査に通らず代金が支払えない場合や、売主側が約束の期日までに物件を引き渡せないといったケースがあります。これらのリスクを回避するには、契約書に支払い条件や引き渡し期日を明確に記載し、違反時のペナルティや対応策を事前に取り決めておくことが重要です。

 また、契約時には専門家である仲介業者や司法書士を介し、契約内容を細部まで確認することで、不履行のリスクを大幅に低減できます。さらに、売主・買主双方が信頼関係を築くこともトラブル回避には欠かせません。

6.空き家売却を成功させるためのまとめ

 空き家売却は、多くの手続きや法的要件、経済的なリスクが伴うプロセスです。適切な査定と価格交渉、必要書類の準備、売却活動から契約締結、税金対策、トラブル回避策まで、それぞれのステップで慎重な対応が求められます。特に、事前の現状確認や法的リスクの洗い出し、信頼できる不動産会社や専門家との連携は成功への大きな鍵となります。また、売却後の税金や費用についても正確に理解し、手元に残る利益を最大化する意識が重要です。

 皆様が安心して空き家売却を進められる参考にしていただければ幸いです。
八幡地所株式会社<br>代表取締役 渋谷秀昭

八幡地所株式会社
代表取締役 渋谷秀昭

Hideaki Shibuya

購入した自宅を売却の際、不動産売買に興味を持ち実体験を活かしたく不動産業へ転職。売買専門の仲介会社、建売分譲会社で不動産売買の営業スキルを習得後、地元の流山市で地域密着会社として父が起業した八幡地所株式会社へ移る。
更なる流山市の発展に貢献できるよう現在は代表取締役として不動産売買の宅地建物取引業をメインに建設業・損害保険代理業を勤しむ。なかでも不動産売買の相談や売買にまつわるお金に関するプランニングと総合的な生活設計を行うプランニングに注力しております。

【保有資格】
●宅地建物取引士
●相続鑑定士
●2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP
●2級建築施工管理技士
●住宅ローンアドバイザー
●賃貸住宅管理業業務管理者
●損害保険募集人(火災・自動車・傷害)

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