不動産を売却する際、不動産会社との「媒介契約」は成功のカギを握る重要なステップです。中でも「専任媒介契約」は1社のみに依頼する契約形態で、スムーズな売却を進められる一方、注意すべき点も多くあります。この記事では、専任媒介契約の特徴と、売主が知っておくべき注意点を詳しく解説します。トラブルを避け、後悔のない売却を実現するために、契約前にしっかり理解しておきましょう。
1. 専任媒介契約の基礎知識

1-1. 一般媒介・専属専任との違い
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時に依頼できるため、広く買主を探せる反面、責任の所在が分散しやすい点がデメリットです。 一方、専任媒介契約は1社のみと契約を結び、売主自身が直接買主を見つけて取引することも可能です。専任担当者がつくため販売活動の質が高まりやすいのが特徴です。さらに、専属専任媒介契約になると、売主は自己発見取引ができず、必ず契約した不動産会社を通さなければなりません。
つまり、専任媒介契約は「独占依頼+売主の自由度も確保できる中間的な契約」といえます。信頼できる不動産会社を選べば、売却スピードと安心感の両立が可能です。
1-2. 専任媒介契約のメリットとデメリット
ただし、注意点もあります。1社にしか依頼できないため、もし営業力が弱い会社に任せてしまうと、売却が長期化するリスクがあります。さらに、担当者の報告頻度や対応姿勢に不満があっても、契約期間中(最長3か月)は簡単に変更できません。
したがって、専任媒介契約を結ぶ際は、会社の販売実績・担当者の信頼性をよく見極めることが重要です。
2. 専任媒介契約の注意点

2-1. レインズ登録義務と報告義務の実態
しかし、実際にはこの義務を怠る会社も存在します。レインズ登録を遅らせたり、報告を曖昧に済ませたりするケースは要注意です。契約時には「レインズ登録日を必ず確認」「報告方法(メール・電話など)を事前に決める」ことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
2-2. 「囲い込み」トラブルに注意
対策としては、①レインズ登録情報を自分で確認する、②2週間に1回の活動報告をチェックする、③必要に応じて第三者の不動産会社に意見を聞く、などが有効です。信頼できる不動産会社であれば、囲い込みをせず透明な取引を行うため、契約前の見極めが非常に大切です。
3.専任媒介契約を結ぶ前のチェックポイント

3-1. 不動産会社選びの重要性
まず「地域の販売実績」。特に類似物件の取扱経験がある会社は、価格設定やPR方法が的確です。
次に「担当者の対応力」。初回の面談や査定時の説明が丁寧で、質問に的確に答えられるかを確認しましょう。
最後に「販売戦略の提案力」。広告掲載媒体、内見対応、成約時の交渉方針など、具体的な提案ができる担当者が理想です。
大手か地元密着型かではなく、売主目線で親身に対応してくれる会社を選ぶことが、専任媒介契約成功への第一歩です。
3-2. 契約期間・条件の確認ポイント
①契約期間と更新条件
②販売価格や広告掲載範囲
③活動報告の頻度と方法
④他社や個人への紹介可否(自己発見取引の扱い)
これらを曖昧にすると、後からトラブルになる恐れがあります。また、契約期間中に対応が不誠実な場合は、正当な理由があれば途中解約も可能です。
書面で契約内容をしっかり確認し、不明点があればその場で質問・修正しておくことが安心です。
4. まとめ:専任媒介契約を賢く活用しよう

また、契約内容を十分に理解し、自分のペースで確認できる環境を整えることが、満足度の高い売却成功につながります。信頼できるパートナーと共に、後悔のない不動産売却を実現しましょう。