不動産を売却する際の手続きには、契約や必要書類の準備、税金など複雑なポイントが多くあります。初めて不動産売却をする方にとって、何をいつ進めればいいのか分からないことも多いでしょう。本記事では、不動産売却の流れや契約の注意点、手続きのポイントを分かりやすく解説します。スムーズな売却を実現するために、ぜひ最後までご覧ください。
1. 不動産売却の基本と手続きの流れ

1-1. 不動産売却の主な流れとは?
売却準備:まず、売却の目的を明確にし、物件の市場価値を把握します。これには、周辺相場の調査、不動産会社の査定、適正な売却価格の設定が含まれます。また、住宅ローンの残債確認や、必要書類の準備も行います。
販売活動:不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。広告掲載、内覧対応、価格交渉を経て、購入希望者を見つけます。
契約・引き渡し:売買契約を締結し、残代金を受け取ります。所有権移転登記を行い、物件を買主に引き渡します。売却後には、確定申告などの手続きも必要になります。
この流れを理解し、スムーズに手続きを進めることが成功のカギとなります。
不動産売却の一般的な流れは以下の通りです。
売却の目的・方針を決める
相場を調査し、売却価格を決定
不動産会社を選び、媒介契約を締結
買い手を募集し、内覧対応
買い手と売買契約を締結
決済・引き渡し
確定申告(必要な場合)
1-2. 売却準備で必要なことと注意点
相場の把握:物件の適正価格を知るために、不動産会社の査定を受けたり、周辺物件の売出価格を調べたりします。
必要書類の準備:登記済権利証(または登記識別情報)、固定資産税納税通知書、建築確認済証、間取り図などを事前に揃えておくと、スムーズに売却活動を進められます。
物件の魅力を高める:第一印象が重要なため、室内のクリーニングや簡単なリフォームを検討しましょう。特にキッチンや浴室などの水回りの清潔感を保つことがポイントです。
住宅ローン残債の確認:ローンが残っている場合、売却後のローン完済手続きを考慮し、必要な手続きを早めに進める必要があります。
事前準備をしっかり行うことで、売却のスピードや成功率が大きく変わります。
査定を依頼する際1社だけでは適正価格が判断しづらく、各社及び各担当者の対応力もそれぞれの会社によって違いもあり販売戦略も異なりますので、査定と相談は地域密着や大手の会社3社ほどに依頼するのがよいでしょう。
2. 不動産売却の契約手続きと必要書類

2-1. 売買契約の締結と重要事項説明
「重要事項説明」は以下のような点が説明されます。(一例)
物件の基本情報:所在地、面積、築年数、構造など
法的規制:建築基準法や都市計画法に基づく制限
管理費や修繕積立金(マンションの場合)
契約解除の条件
瑕疵担保責任(契約不適合責任)
重要事項説明の内容を十分に理解し、疑問点があれば事前に解消しておくことが重要です。
2-2. 売却時に必要な書類一覧
登記済権利証または登記識別情報(所有権の証明)
固定資産税納税通知書(税金精算に必要)
売買契約書(契約内容の証明)
身分証明書と印鑑証明書(本人確認のため)
住宅ローン残高証明書(ローン完済手続きに必要)
事前に書類を揃えておくことで、手続きの遅延を防ぐことができます。不明点があれば、不動産会社や司法書士に相談しましょう。また住宅ローンの残債がある場合は買主へ引き渡す際、買主からの売買代金などを充当のうえ住宅ローンを完済しなければなりません。同時に抵当権などの権利を抹消する事となり抹消する費用も要します。
3. 不動産売却の手続きにかかる期間とスケジュール

3-1. 不動産売却の平均的な期間はどのくらい?
査定・媒介契約締結:1〜2週間
買い手募集・内覧対応:1〜3ヶ月
売買契約の締結・決済:1〜2ヶ月
市場の動向や物件の条件によっては、売却期間が長引くこともあるため、早めの計画が重要です。
3-2. 手続きをスムーズに進めるためのスケジュール管理
・複数の不動産会社に査定を依頼し、最適なパートナーを選ぶ
・買い手が見つかりやすい時期(春・秋)を狙う
・必要書類を早めに準備する
ことが大切です。
売却をスムーズに進めるには、適切なスケジュール管理が必要です。不動産会社の選定、必要書類の準備、内覧対応のスケジュールを事前に計画しましょう。特に、引き渡し日を明確に設定し、買主とのスケジュール調整を適切に行うことが成功のカギとなります。
4. 不動産売却の手続きに関わる費用と税金

4-1. 売却時に発生する費用の内訳
仲介手数料:不動産会社に支払う手数料で、売却価格の「3%+6万円+消費税」(売買価格400万円超の場合)が上限とされています。
登記費用:司法書士へ依頼する登記の手数料(抵当権抹消など)。
測量費用:土地の境界が不明瞭な場合、測量が必要になります。
リフォーム・ハウスクリーニング費用:物件をより魅力的に見せるための費用。
引っ越し費用:売却後の新居への移転費用も考慮する必要があります。
これらの費用を把握し、売却価格を決める際に考慮することが重要です。
4-2. 不動産売却にかかる税金と節税対策
譲渡所得税:売却益(譲渡所得)に対して課税されます。所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年以上の場合は20.315%となります。
住民税:譲渡所得に応じて住民税がかかります。
特別控除制度:3,000万円の特別控除や、買い替え特例などを活用すると、税負担を軽減できます。
税務の専門家に相談し、適切な節税対策を行いましょう。
5. 不動産売却の契約後の手続きと引き渡し

5-1. 決済と引き渡しの流れを解説
・残代金の受領:買主から売却代金の残額を受け取ります。
・所有権移転登記:司法書士が所有権移転手続きを行います。
・鍵の引き渡し:買主に鍵を渡し、物件を正式に引き渡します。
・抵当権の抹消:住宅ローンが残っている場合は、ローン完済後に抵当権を抹消します。
スムーズな取引のために、各手続きを事前に確認しておきましょう。
5-2. 引き渡し後に必要な手続きと注意点
・確定申告:譲渡所得税の申告を翌年の確定申告期間内に行います。
・固定資産税の精算:引き渡し日を基準に、買主と税負担の清算を行います。
(清算は引渡日によって、引渡しと同時に行うか引渡し後に行うか異なります)
・新住所への転出届:住民票の移動手続きも忘れずに行いましょう。
これらの手続きを怠ると、思わぬトラブルにつながることがあります。適切に対応し、不動産売却を円滑に完了させましょう。
6. まとめ
