CONTENT コンテンツ

「不動産売却の手続きガイド」契約から引き渡しまで

「不動産売却の手続きガイド」契約から引き渡しまで

不動産を売却する際の手続きには、契約や必要書類の準備、税金など複雑なポイントが多くあります。初めて不動産売却をする方にとって、何をいつ進めればいいのか分からないことも多いでしょう。本記事では、不動産売却の流れや契約の注意点、手続きのポイントを分かりやすく解説します。スムーズな売却を実現するために、ぜひ最後までご覧ください。

1. 不動産売却の基本と手続きの流れ

 不動産売却は、売却の目的を明確にし、相場を調査することから始まります。次に不動産会社と媒介契約を結び、買い手を募集。購入希望者が見つかれば売買契約を締結し、決済・引き渡しを行います。その後、確定申告などの手続きを済ませることで売却が完了します。スムーズな取引のためには、各ステップで必要な書類や手続きの流れを理解し、適切な準備を進めることが重要です。

1-1. 不動産売却の主な流れとは?

 不動産売却は、大きく分けて「売却準備」「販売活動」「契約・引き渡し」の3ステップに分類されます。

売却準備:まず、売却の目的を明確にし、物件の市場価値を把握します。これには、周辺相場の調査、不動産会社の査定、適正な売却価格の設定が含まれます。また、住宅ローンの残債確認や、必要書類の準備も行います。

販売活動:不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。広告掲載、内覧対応、価格交渉を経て、購入希望者を見つけます。

契約・引き渡し:売買契約を締結し、残代金を受け取ります。所有権移転登記を行い、物件を買主に引き渡します。売却後には、確定申告などの手続きも必要になります。

 この流れを理解し、スムーズに手続きを進めることが成功のカギとなります。

不動産売却の一般的な流れは以下の通りです。
売却の目的・方針を決める
相場を調査し、売却価格を決定
不動産会社を選び、媒介契約を締結
買い手を募集し、内覧対応
買い手と売買契約を締結
決済・引き渡し
確定申告(必要な場合)

1-2. 売却準備で必要なことと注意点

 売却を成功させるためには、入念な準備が不可欠です。

相場の把握:物件の適正価格を知るために、不動産会社の査定を受けたり、周辺物件の売出価格を調べたりします。

必要書類の準備:登記済権利証(または登記識別情報)、固定資産税納税通知書、建築確認済証、間取り図などを事前に揃えておくと、スムーズに売却活動を進められます。

物件の魅力を高める:第一印象が重要なため、室内のクリーニングや簡単なリフォームを検討しましょう。特にキッチンや浴室などの水回りの清潔感を保つことがポイントです。

住宅ローン残債の確認:ローンが残っている場合、売却後のローン完済手続きを考慮し、必要な手続きを早めに進める必要があります。

事前準備をしっかり行うことで、売却のスピードや成功率が大きく変わります。
査定を依頼する際1社だけでは適正価格が判断しづらく、各社及び各担当者の対応力もそれぞれの会社によって違いもあり販売戦略も異なりますので、査定と相談は地域密着や大手の会社3社ほどに依頼するのがよいでしょう。

2. 不動産売却の契約手続きと必要書類

 売却活動の中で最も重要なのが売買契約です。契約前には重要事項説明を受け、条件をしっかり確認することが必要です。契約時には「売買契約書」「登記済権利証」「印鑑証明書」などの書類が求められます。契約後のトラブルを防ぐためにも、契約内容の細部を理解し、不明点は不動産会社や専門家に相談することが大切です。適切な準備を行い、円滑な取引を実現しましょう。

2-1. 売買契約の締結と重要事項説明

 売買契約の締結前には、不動産会社による「重要事項説明」が行われます。これは、購入者が契約内容を正しく理解するために必要な手続きであり、契約内容や物件の法的瑕疵、管理費、修繕積立金などの詳細が説明されます。契約締結時には、売買契約書に署名・押印し、手付金を受領します。契約解除の条件や違約金についても確認し、納得した上で契約を進めることが大切です。

「重要事項説明」は以下のような点が説明されます。(一例)

物件の基本情報:所在地、面積、築年数、構造など

法的規制:建築基準法や都市計画法に基づく制限

管理費や修繕積立金(マンションの場合)

契約解除の条件

瑕疵担保責任(契約不適合責任)

重要事項説明の内容を十分に理解し、疑問点があれば事前に解消しておくことが重要です。

2-2. 売却時に必要な書類一覧

 不動産売却に必要な書類は多岐にわたります。以下の書類を事前に準備しましょう。

登記済権利証または登記識別情報(所有権の証明)

固定資産税納税通知書(税金精算に必要)

売買契約書(契約内容の証明)

身分証明書と印鑑証明書(本人確認のため)

住宅ローン残高証明書(ローン完済手続きに必要)

 事前に書類を揃えておくことで、手続きの遅延を防ぐことができます。不明点があれば、不動産会社や司法書士に相談しましょう。また住宅ローンの残債がある場合は買主へ引き渡す際、買主からの売買代金などを充当のうえ住宅ローンを完済しなければなりません。同時に抵当権などの権利を抹消する事となり抹消する費用も要します。

3. 不動産売却の手続きにかかる期間とスケジュール

 不動産売却には通常3〜6ヶ月かかります。査定から媒介契約までに約2週間、買い手募集に1〜3ヶ月、契約から引き渡しまでに1〜2ヶ月が一般的です。売却をスムーズに進めるためには、事前に必要書類を準備し、買い手との交渉を円滑に進めることが重要です。売却のタイミングや市場の動向も影響するため、計画的にスケジュールを組み、余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。

3-1. 不動産売却の平均的な期間はどのくらい?

不動産売却には通常3〜6ヶ月程度かかります。

査定・媒介契約締結:1〜2週間

買い手募集・内覧対応:1〜3ヶ月

売買契約の締結・決済:1〜2ヶ月

市場の動向や物件の条件によっては、売却期間が長引くこともあるため、早めの計画が重要です。

3-2. 手続きをスムーズに進めるためのスケジュール管理

売却スケジュールを効率的に管理するために、

・複数の不動産会社に査定を依頼し、最適なパートナーを選ぶ
・買い手が見つかりやすい時期(春・秋)を狙う
・必要書類を早めに準備する  

ことが大切です。
 売却をスムーズに進めるには、適切なスケジュール管理が必要です。不動産会社の選定、必要書類の準備、内覧対応のスケジュールを事前に計画しましょう。特に、引き渡し日を明確に設定し、買主とのスケジュール調整を適切に行うことが成功のカギとなります。

4. 不動産売却の手続きに関わる費用と税金

 不動産売却には、仲介手数料(売買価格400万円超の場合3%+6万円)、登記費用、測量費などの費用がかかります。また、売却益が出た場合は譲渡所得税や住民税が課されます。ただし、「3,000万円特別控除」や「所有期間による軽減税率」などの節税制度を活用すれば、税負担を軽減できます。売却後の収支を把握し、適切な節税対策を行うことで、余計なコストを抑えることが可能です。

4-1. 売却時に発生する費用の内訳

 不動産売却では、様々な費用が発生します。主なものは以下の通りです。

仲介手数料:不動産会社に支払う手数料で、売却価格の「3%+6万円+消費税」(売買価格400万円超の場合)が上限とされています。

登記費用:司法書士へ依頼する登記の手数料(抵当権抹消など)。

測量費用:土地の境界が不明瞭な場合、測量が必要になります。

リフォーム・ハウスクリーニング費用:物件をより魅力的に見せるための費用。

引っ越し費用:売却後の新居への移転費用も考慮する必要があります。

これらの費用を把握し、売却価格を決める際に考慮することが重要です。

4-2. 不動産売却にかかる税金と節税対策

 不動産売却時には、譲渡所得税や住民税が発生します。

譲渡所得税:売却益(譲渡所得)に対して課税されます。所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年以上の場合は20.315%となります。

住民税:譲渡所得に応じて住民税がかかります。

特別控除制度:3,000万円の特別控除や、買い替え特例などを活用すると、税負担を軽減できます。

税務の専門家に相談し、適切な節税対策を行いましょう。

5. 不動産売却の契約後の手続きと引き渡し

 売買契約締結後は、残代金の決済、所有権移転登記、鍵の引き渡しなどの手続きを行います。決済日には必要書類を揃え、売却代金を受け取った後、登記の変更を行います。引き渡し後も固定資産税の精算や確定申告が必要となるため、忘れずに手続きを進めましょう。契約後のトラブルを防ぐためにも、買主と密に連絡を取りながらスムーズな引き渡しを目指すことが重要です。

5-1. 決済と引き渡しの流れを解説

 売買契約を締結した後、決済と引き渡しを行います。

・残代金の受領:買主から売却代金の残額を受け取ります。

・所有権移転登記:司法書士が所有権移転手続きを行います。

・鍵の引き渡し:買主に鍵を渡し、物件を正式に引き渡します。

・抵当権の抹消:住宅ローンが残っている場合は、ローン完済後に抵当権を抹消します。

スムーズな取引のために、各手続きを事前に確認しておきましょう。

5-2. 引き渡し後に必要な手続きと注意点

 物件を引き渡した後も、いくつかの手続きが必要です。

・確定申告:譲渡所得税の申告を翌年の確定申告期間内に行います。

・固定資産税の精算:引き渡し日を基準に、買主と税負担の清算を行います。
 (清算は引渡日によって、引渡しと同時に行うか引渡し後に行うか異なります)

・新住所への転出届:住民票の移動手続きも忘れずに行いましょう。

 これらの手続きを怠ると、思わぬトラブルにつながることがあります。適切に対応し、不動産売却を円滑に完了させましょう。

6. まとめ

 不動産売買の契約手続きは、売却準備、契約締結、引き渡しの3ステップに分かれます。売却準備では価格設定や必要書類の準備を行い、契約締結時には重要事項説明と売買契約の締結が必要です。その後、決済と所有権移転登記を経て、物件を買主に引き渡します。売却後は確定申告や税金の精算も必要となるため、スムーズな手続きを心掛けましょう。
八幡地所株式会社<br>代表取締役 渋谷秀昭

八幡地所株式会社
代表取締役 渋谷秀昭

Hideaki Shibuya

購入した自宅を売却の際、不動産売買に興味を持ち実体験を活かしたく不動産業へ転職。売買専門の仲介会社、建売分譲会社で不動産売買の営業スキルを習得後、地元の流山市で地域密着会社として父が起業した八幡地所株式会社へ移る。
更なる流山市の発展に貢献できるよう現在は代表取締役として不動産売買の宅地建物取引業をメインに建設業・損害保険代理業を勤しむ。なかでも不動産売買の相談や売買にまつわるお金に関するプランニングと総合的な生活設計を行うプランニングに注力しております。

【保有資格】
●宅地建物取引士
●相続鑑定士
●2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP
●2級建築施工管理技士
●住宅ローンアドバイザー
●賃貸住宅管理業業務管理者
●損害保険募集人(火災・自動車・傷害)

不動産売却なら☟をタップ!