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不動産売却の仲介と買取の違い

不動産売却の仲介と買取の違い

不動産売却を検討し始めると、「仲介と買取、どちらを選ぶべきか?」という疑問に直面する方が多いのではないでしょうか。それぞれの売却方法には明確な違いがあり、選び方を誤ると「もっと高く売れたかも…」「こんなに時間がかかるとは思わなかった…」と後悔することにもつながります。本記事では、不動産売却をこれから始める方に向けて、仲介と買取の違い、メリット・デメリット、選び方のポイントまでを詳しく解説します。大切な資産を納得のいくかたちで手放すために、ぜひ最後までご覧ください。

1. 不動産売却の基礎知識

 不動産売却とは、所有する土地や建物を第三者に譲渡し、現金化することです。売却の流れは、査定・媒介契約・販売活動・売買契約・引き渡しと進みます。初めての方でもスムーズに進めるためには、基本的な流れや必要書類、費用などを事前に理解しておくことが大切です。

1-1 不動産売却とは?基本の流れ

 不動産売却とは、住宅や土地といった不動産を第三者へ譲渡し、代金を受け取る取引のことを指します。大まかな流れとしては、不動産会社への相談→価格査定→売却方法の決定→契約→引き渡し→代金受け取りというステップを踏みます。
 ここで最も重要になるのが「売却方法の選定」で、仲介を利用するか、直接買取してもらうかによって、その後の流れや結果が大きく異なります。不動産売却は多くの人にとって人生で数回あるかどうかの大きな取引です。基本的な知識を押さえておくことで、後悔のない選択ができるようになります。

1-2 不動産売却に必要な準備とは

 不動産売却には、事前にいくつかの重要な準備が必要です。まず確認しておきたいのが「所有権」や「住宅ローンの残債」。売却にあたっては名義や登記内容が正確であること、住宅ローンが残っている場合は精算方法を決めておく必要があります。
 また、室内の整理整頓や簡単な修繕を行うことで、内覧時の印象を良くする効果も期待できます。不動産会社に依頼する前に、相場の調査や近隣の売出事例を把握しておくと、査定価格の妥当性を判断しやすくなります。不動産売却は「準備8割」とも言えるほど、段取りが重要です。

2. 不動産売却「仲介」の特徴

 不動産売却で最も一般的な方法が「仲介」です。不動産会社が売主と買主の間に立ち、適正価格で売買を成立させます。相場より高く売れる可能性がある一方、売却完了までに数か月かかることもあります。じっくりと良い条件で売りたい方に向いています。

2-1 仲介による売却の仕組みと流れ

 不動産仲介とは、不動産会社が売主と買主の間に立ち、売買契約を成立させる仕組みです。売主はまず不動産会社と「媒介契約」を結び、物件の情報をインターネットや広告を通じて広く公開します。その後、買主の内覧・交渉を経て、売買契約が締結されます。引き渡しが完了すると、売主は不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介では市場での需要に応じた価格で売れる可能性があり、競争によって価格が上昇することもありますが、売却までの期間は数か月かかることもあり、柔軟なスケジュール管理が求められます。

2-2 仲介を利用するメリット・デメリット

 仲介による不動産売却の魅力は、なんといっても「高く売れる可能性がある」点です。特に都市部や人気エリアの物件であれば、複数の買主が競合することで価格が上がるケースもあります。また、売主自身で買主を探す必要がないため、専門家のサポートのもと安心して進めることができます。
 一方、デメリットとしては、売却期間が長引く可能性や、内覧対応の手間、契約後のトラブル対応などが挙げられます。急いで売却したい場合や、対応に時間を割けない方にとっては不向きな選択肢となるかもしれません。

3. 不動産売却「買取」の特徴

 「買取」は不動産会社が物件を直接買い取る方法で、短期間で現金化したい方に最適です。内覧対応や広告活動が不要なため、時間や手間をかけずに売却できます。ただし、売却価格は市場相場よりやや低めになる傾向がある点に注意が必要です。

3-1 不動産買取の流れと特徴

 不動産買取は、不動産会社が買主となり、物件を直接購入してくれる仕組みです。売主が査定を依頼し、提示された買取価格に納得すれば即契約が成立します。通常は1〜2週間程度で売買が完了するため、現金化のスピードが非常に早いのが特徴です。買取では一般の買主への販売活動や内覧対応が不要なため、心理的・時間的な負担も大きく軽減されます。築年数が古い物件や、売り出してもなかなか買い手が見つからないような不動産でも、買取ならスムーズに処理できる可能性があります。

3-2 買取のメリット・デメリット

 買取のメリットは「スピード」「手間の少なさ」「確実性」の3点です。住宅ローン返済が迫っている、相続した物件を早く処分したい、離婚による財産分与が必要といった状況では、即時現金化できる買取が強い味方になります。また、契約不適合責任(瑕疵担保責任・売却後の不具合に対する責任)が免除されることも多く、トラブル回避にもつながります。ただし、デメリットとしては仲介よりも売却価格が低くなりがちな点が挙げられます。目安としては相場の70〜90%程度が一般的で、価格よりもスピードを重視する人向けの選択肢です。

4. 不動産売却「仲介」と「買取」の違い

 不動産売却では「仲介」と「買取」の2つの方法があります。高く売りたいなら仲介、早く確実に売りたいなら買取が適しています。価格・スピード・手間の面で大きく異なるため、それぞれの違いを理解し、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。

4-1 売却価格・スピード・手間の比較

 不動産売却を検討するうえで、「仲介」と「買取」の違いを正しく理解することは極めて重要です。まず、売却価格においては、一般的に仲介の方が高値で売れる傾向にあります。市場での競争原理が働くため、条件の良い物件であれば希望価格以上で売却できる可能性もあります。一方、買取は不動産会社が転売を前提に購入するため、価格は市場相場より1〜3割程度下がるのが一般的です。

 次に売却スピードですが、仲介は買主が見つかるまでに平均で2〜6か月かかることもあるのに対し、買取は早ければ数日〜2週間で現金化可能です。そして手間の面では、仲介は内覧対応、価格交渉などを行う場合があり、それなりの労力がかかります。買取はこうした手間が一切不要で、契約や手続きもスムーズに進むため、仕事や家庭で忙しい方には大きなメリットと言えるでしょう。

4-2 各ケースに適した売却方法とは

 不動産売却において、どちらの方法が「正解」というものはありません。重要なのは、ご自身の状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことです。たとえば、「住み替えの資金に充てたい」「今は価格が高騰しているから好条件で売りたい」といった方は、少し時間がかかっても仲介でじっくり売却するのが良いでしょう。逆に、「相続した空き家の維持費がかかって困っている」「急な転勤で早く現金化したい」「築古で売れ残るリスクがある」といったケースでは、買取を利用した方が確実でスピーディです。

 また、住宅ローンが残っている場合や再建築不可などの特殊物件も、買取の方が柔軟に対応してもらえることが多いです。まずは不動産会社に両方の査定を依頼し、条件や金額を比較検討するのがおすすめです。

5. 不動産売却の選び方と注意点

 不動産売却の成功には、自分に合った方法の選択が不可欠です。価格重視なら仲介、スピード重視なら買取と目的を明確にしましょう。また、複数社に査定を依頼して比較することや、契約内容の確認、トラブル回避のための事前準備も重要です。

5-1 どちらを選ぶべき?判断のポイント

 不動産売却で仲介と買取のどちらを選ぶか迷ったときは、「何を優先したいのか?」を明確にすることが重要です。売却金額を重視するのか、時間と手間を抑えたいのか、それともトラブルのリスクを避けたいのか——。それぞれの優先順位に応じて選択肢は異なります。たとえば、ローンの返済に余裕があり、より良い条件で売りたい方は仲介がおすすめです。反対に、資金繰りや生活設計にスピードが求められる場合は、買取が安心です。

 また、実際に仲介・買取の両方を扱っている不動産会社に相談し、具体的な査定金額とスケジュールを提示してもらうことで、比較がしやすくなります。複数の会社に査定を依頼する「相見積もり」も効果的で、適正価格の把握や信頼できる業者選びにもつながります。最終的には、金額だけでなく担当者との相性や信頼感も重視しましょう。

5-2 トラブルを防ぐための注意点

 不動産売却は高額取引であるため、思わぬトラブルに発展することも少なくありません。たとえば、契約後に「思っていた価格と違った」「瑕疵(欠陥)について揉めた」「引き渡し日でトラブルが発生した」などが典型例です。こうしたトラブルを防ぐためには、事前に契約内容をしっかり確認することが大切です。特に仲介の場合、媒介契約の種類(専任媒介・一般媒介など)や、売買契約に含まれる特約事項を把握しておく必要があります。また、契約不適合責任(瑕疵担保責任)の内容や引き渡し後の対応範囲についても、不明点は必ず確認しましょう。

 買取の場合も、提示された査定価格が本当に妥当なのか、他社と比較することで適正かどうかを見極めることが重要です。売却後に後悔しないためにも、信頼できる不動産会社と連携して、必要に応じて第三者の専門家(司法書士や弁護士など)にも相談すると安心です。

6. まとめ

 不動産売却を成功させるには、「仲介」と「買取」という2つの方法の違いを正しく理解し、自分の状況に合った選択をすることが何よりも大切です。仲介は高値で売却できる可能性がある反面、時間と手間がかかります。買取はスピーディかつ確実ですが、価格が低くなる傾向にあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、「何を重視するか」を明確にして判断することが失敗を防ぐカギです。

 また、信頼できる不動産会社に相談し、複数の選択肢から比較検討する姿勢が、後悔のない不動産売却につながります。ぜひこの記事を参考に、あなたにとってベストな売却方法を見つけてください。

八幡地所株式会社<br>代表取締役 渋谷秀昭

八幡地所株式会社
代表取締役 渋谷秀昭

Hideaki Shibuya

購入した自宅を売却の際、不動産売買に興味を持ち実体験を活かしたく不動産業へ転職。売買専門の仲介会社、建売分譲会社で不動産売買の営業スキルを習得後、地元の流山市で地域密着会社として父が起業した八幡地所株式会社へ移る。
更なる流山市の発展に貢献できるよう現在は代表取締役として不動産売買の宅地建物取引業をメインに建設業・損害保険代理業を勤しむ。なかでも不動産売買の相談や売買にまつわるお金に関するプランニングと総合的な生活設計を行うプランニングに注力しております。

【保有資格】
●宅地建物取引士
●相続鑑定士
●2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP
●2級建築施工管理技士
●住宅ローンアドバイザー
●賃貸住宅管理業業務管理者
●損害保険募集人(火災・自動車・傷害)

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