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地域密着会社の売却成功を左右する担当者力と媒介契約の選び方(全3回の3回目)

地域密着会社の売却成功を左右する担当者力と媒介契約の選び方(全3回の3回目)

不動産売却では、物件の良し悪しだけで成約結果が決まるわけではありません。同じ物件でも、不動産会社の担当者がどのような販売戦略を立て、どのタイミングで価格を見直し、どのように購入希望者へ提案するかによって、成約価格や売却期間は大きく変わります。また、媒介契約の種類を十分に理解しないまま契約してしまうと、本来得られたはずの売却機会を逃してしまう可能性もあります。今回は、地域密着会社だからこそ実践できる販売戦略や担当者の役割について、プロの視点から詳しく解説します。

3. 売却成功を左右する担当者力と販売マネジメント

不動産売却は「物件を販売する仕事」ではなく、「売却を成功へ導くプロジェクトを管理する仕事」と言っても過言ではありません。売却活動では、査定価格の提示だけではなく、販売開始のタイミング、広告戦略、内覧対応、価格改定、契約条件の調整など、数多くの判断が求められます。その一つひとつの判断が、最終的な成約価格や売却期間を左右します。

地域密着会社の担当者は、日頃から同じエリアの売却・購入相談に携わっているため、市場の変化を肌で感じています。「今はファミリー層の動きが活発」「金利動向の影響で購入検討者が慎重になっている」「競合物件が増えたため販売戦略を見直すべき」といった現場感覚を持ち合わせていることが強みです。

また、売却中は定期的に販売状況を分析し、問い合わせ件数や内覧数、購入希望者の反応を踏まえて次の施策を提案します。このようなPDCA(Plan・Do・Check・Action)の考え方を取り入れながら販売活動を進めることで、売却成功の可能性を高めています。

つまり、不動産売却では「どこの会社へ依頼するか」だけではなく、「どの担当者が販売を管理するか」が非常に重要なのです。

3-1. 媒介契約を理解することが売却成功への第一歩

不動産会社へ売却を依頼する際には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類から媒介契約を選択します。しかし、それぞれの違いを十分に理解しないまま契約を結んでしまう方も少なくありません。

一般媒介契約は複数の不動産会社へ同時に依頼できる契約です。一見すると多くの会社が販売してくれるため有利に感じますが、各社とも「他社で決まるかもしれない」という心理が働き、広告費や販売活動に積極投資しにくいという側面があります。

一方、専任媒介契約は1社のみに売却を依頼する契約ですが、不動産会社にはREINSへの登録義務や定期的な販売活動報告義務があります。そのため売主は販売状況を把握しやすく、不動産会社も責任を持って販売活動を進めることができます。

専属専任媒介契約ではさらに報告義務が強化され、より密なサポートを受けられるメリットがあります。

ここで重要なのは、「どの契約が一番良いか」ではなく、「どの会社と契約するか」です。販売力や情報発信力の乏しい会社と専任契約を結んでも期待する成果は得られません。

地域密着会社は、専任媒介契約を締結した場合でも、地域内の他業者と積極的に共同仲介を行い、REINSを活用して広く情報を流通させる会社が多くあります。これは売主利益を最優先に考える姿勢の表れです。

また、販売活動報告では「問い合わせ件数」「内覧件数」「購入希望者からの意見」「競合物件の動向」まで細かく説明してくれるため、売主自身も販売状況を正確に把握できます。

媒介契約は単なる契約書ではなく、「売却戦略を誰と進めるか」を決める重要なパートナー契約です。地域密着会社は、契約内容だけではなく、その後の販売計画まで具体的に説明してくれるため、初めて売却する方でも安心して任せることができます。

3-2. 成約率を高める担当者は価格改定のタイミングを逃さない

不動産売却では、「価格を下げること=失敗」と考えてしまう売主も少なくありません。しかし実際には、価格改定は売却戦略の一つであり、適切なタイミングで実施することで、結果的に高値成約へつながるケースもあります。

販売開始直後は、最も多くの購入希望者から注目される「ゴールデンタイム」です。この期間に十分な反響が得られない場合、市場から「価格が相場より高い」という評価を受けている可能性があります。

経験豊富な地域密着会社は、単に「値下げしましょう」と提案するのではなく、反響件数、内覧件数、競合物件の価格変更、住宅ローン金利の動向、季節要因など、多角的な視点から販売状況を分析します。

例えば、掲載開始から3週間で問い合わせが極端に少ない場合には写真や紹介文を見直し、それでも改善しなければ価格改定を提案するなど、段階的な改善策を講じます。一方で、問い合わせは多いものの申込みに至らない場合には、設備や室内の見せ方、ホームステージングの提案など、価格以外の改善を優先することもあります。

地域密着会社は、日々エリア内の競合物件をチェックしているため、「今なら5%以内の価格調整で反響が回復する」「競合が成約したため価格を維持できる」といった判断を迅速に行えます。このスピード感は、地域市場を熟知している会社ならではの強みです。

さらに、成約率の高い担当者は、購入希望者との交渉力にも優れています。価格交渉だけでなく、引渡し時期や設備引継ぎなど、売主・買主双方が納得できる条件を整理し、契約成立へ導きます。

売却活動は「広告を出して待つ」だけでは成功しません。市場の反応を分析し、適切なタイミングで改善策を実行する担当者の存在が、売却成功の鍵を握っているのです。

4. まとめ

不動産売却を成功させるためには、査定価格の高さや会社の知名度だけで判断するのではなく、「販売戦略をどこまで具体的に提案してくれるか」という視点が欠かせません。媒介契約の選択、REINSの活用、反響分析、価格改定のタイミング、購入希望者との交渉など、売却には多くの専門的な判断が求められます。

地域密着会社は、日々変化する地域市場を把握し、売主一人ひとりに合わせた販売計画を立案できることが大きな強みです。不動産売却は、単に物件を市場へ出すことではなく、大切な資産の価値を最大限に引き出すプロジェクトです。だからこそ、地域を知り尽くし、最後まで伴走してくれる地域密着会社をパートナーに選ぶことが、納得のいく売却への近道となるでしょう。
八幡地所株式会社<br>代表取締役 渋谷秀昭

八幡地所株式会社
代表取締役 渋谷秀昭

Hideaki Shibuya

購入した自宅を売却の際、不動産売買に興味を持ち実体験を活かしたく不動産業へ転職。売買専門の仲介会社、建売分譲会社で不動産売買の営業スキルを習得後、地元の流山市で地域密着会社として父が起業した八幡地所株式会社へ移る。
更なる流山市の発展に貢献できるよう現在は代表取締役として不動産売買の宅地建物取引業をメインに建設業・損害保険代理業を勤しむ。
なかでも不動産売買の相談や売買にまつわるお金に関する総合的な生活設計を行うプランニング、相続鑑定士として価値ある不動産の相続の相談に注力しております。

【保有資格】
●宅地建物取引士
●相続鑑定士
●2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP
●2級建築施工管理技士
●賃貸住宅管理業業務管理者
●損害保険募集人(火災・自動車・傷害)

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