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ハザードマップ該当物件の賢い売却術と戦略

ハザードマップ該当物件の賢い売却術と戦略

ハザードマップに該当する不動産は、「売れにくいのでは?」「価格が下がるのか?」と不安を感じる方が多いものです。しかし、実は“適切な戦略”をとることで、想定以上の価格で売却できるケースも少なくありません。本記事では、ハザードマップ該当エリアの不動産を高く・安全に売却するための実践的な方法を、不動産初心者にも分かりやすく解説します。価格設定、告知義務、買い手の心理などプロの視点でポイントをまとめました。

1. ハザードマップ該当物件の特徴と売却への影響

 ハザードマップに掲載される物件は、浸水・土砂災害・地震液状化など自然災害リスクが明示されているため、買主が不安を感じやすい傾向があります。しかし、その影響度はエリアによって大きく異なり、価格差や売却期間にも差が出ます。まずは「市場がどのように評価するか」を理解することが売却成功の第一歩です。この章では、ハザードマップの基本と、不動産価値への具体的な影響を分かりやすく解説します。

1-1 ハザードマップの基礎知識と不動産価格の関係

 ハザードマップは自治体が公表する災害リスク情報で、浸水、土砂災害、液状化、津波など災害ごとにリスクレベルが示されています。不動産売却においては、この“リスクの明示”が価格形成に少なからず影響を与えます。特に浸水リスクは近年の水害増加に伴い、購入希望者の意識が高まっており、同じエリア内でも浸水深の違いによって価格に影響が出るケースもあります。一方で、全体の地価が高い都心部では「利便性>災害リスク」と評価され、価格差が小さくなることもあります。重要なのは、ハザードマップ該当であること自体が“即座に大幅な価格低下”に直結するわけではないという点です。
 市場の評価、近隣事例、過去の災害履歴など複合的に判断されます。まずは売却を検討する上で、ハザードマップが価格にどう影響するのかを理解し、適切な戦略を取ることが重要です。

1-2 ハザードマップ該当でも売れる物件の共通点

 ハザードマップに該当していても、実際に高値で売却される物件にはいくつかの共通点があります。まず大きいのは「代替の利便性」です。具体的には駅徒歩圏である、人気学区に属する、商業施設が充実しているなど生活利便性が高い場合、災害リスクよりも日常の利便性を優先する買主が多く見られます。次に「建物のメンテナンス性」。災害に強い構造(耐水性の高い基礎設計、盛土、高基礎など)が評価されることもあります。
 また、過去に実際の水害が発生していない地域では、「マップ上のリスク」と「実際の被害」が一致していないケースも多く、買主が安心感を得る材料になります。さらに、売主側が丁寧にリスク説明し、対策情報の提示(止水板、排水機能、保険加入など)を行うことで、買主の不安が大幅に軽減されることもあります。つまり、ハザード該当だからといって諦める必要はなく、ポテンシャルを整理し、強みを正しく伝えることで十分に売却可能なのです。

2. ハザードマップ該当物件を高く売るための戦略

 ハザードマップ該当物件を高値で売るには、“リスクを正しく伝えること”と“買い手の不安を軽減する工夫”がセットで必要です。価格の付け方、販売資料、告知内容、売出しタイミング、保険情報など、戦略分岐が多いことが特徴です。ここでは、プロの不動産会社が実際に用いる「高値売却のための実践戦略」を分かりやすく紹介します。

2-1 適正な価格設定と相場の見極め方

 ハザードマップ該当物件の価格設定で最も重要なのは「実際の市場データに基づいた適正価格」を見極めることです。一般的にはリスクを理由に値下げを想定しがちですが、過度な値下げは逆に“訳アリ物件”として警戒され、買い手が寄り付きません。まず確認すべきは、同じエリアの取引事例(レインズ・近隣売買事例)と、ハザード情報が異なる地域との価格差です。さらに、災害リスクの種類によっても評価は異なります。
 例えば「浸水リスク3m」は影響が大きい一方、「液状化リスク」などは地盤改良済みなら影響が小さくなるケースもあります。また、災害リスクの説明を丁寧に行う不動産会社と提携することで、買主の不安が軽減され、売出し価格を下げずに済む可能性もあります。結局のところ、ハザード該当物件の価格設定は通常物件以上に“根拠ある査定”が必要です。

2-2 買主の不安を減らす情報開示と対策提示

 ハザードマップに該当する物件を売却する際は、告知義務があるため「隠さず、正確に説明すること」が大前提です。しかし、ただリスクを伝えるだけでは買主の不安を増幅してしまいます。そのため「リスク軽減策をセットで提示」することがポイントです。たとえば、・過去の水害履歴の有無、・排水設備の状態、・止水板設置などの防災対策、・保険加入のしやすさなどを丁寧に説明することで、買主は安心材料を得られます。
 また、自治体の防災対策(河川改修・堤防整備・排水ポンプ増設)なども有効な情報です。不安がゼロになることはありませんが、「把握できているリスクは受け入れやすい」ため、情報開示の質が売却成功率を左右します。

3. ハザードマップ該当物件を売る際の注意点

 ハザード対象物件は“通常物件とは異なる注意点”が存在します。告知義務、保険の加入可否、融資への影響、調査の必要性など、売主側が理解しておくべきポイントが多いのが特徴です。この章では、後々のトラブルを避け、スムーズな取引を行うための注意点を詳しく解説します。

3-1 告知義務とトラブルを避けるための法的ポイント

 ハザードマップに該当する物件は、災害リスクに関わる事項について買主への告知義務があります。告知を怠ると「契約不適合責任」を問われ、後々損害賠償に発展する可能性もあります。特に「浸水想定」「土砂災害警戒区域」「液状化予測エリア」など、公的情報で明示されているものは正確に伝える必要があります。また、過去に水害を受けた履歴がある場合は事実を伝える義務があります。さらに、買主が住宅ローンを利用する場合、金融機関によってはハザード該当エリアを慎重に審査するケースもあり、事前に把握しておくことが重要です。告知を丁寧に行い、書面として残すことが、売主自身のリスク回避にも繋がります。

3-2 住宅ローン・保険・調査の影響

 ハザードマップ該当エリアの物件を売却する際に注意すべきポイントの一つが、「買主の資金計画に直結する要素」が複数絡むことです。まず住宅ローンに関して、金融機関は災害リスクを重視する傾向が強まっており、同じ物件評価でも“エリアリスク”により担保価値を慎重に判断します。特に水害リスクの高い地域では、融資割合が制限されたり、追加資料の提出を求められるケースもあります。買主側にとっては予算が変動する可能性があるため、売主としては“融資が通りやすい条件”を事前に理解しておくことが取引をスムーズにする鍵です。

 また火災保険・水災保険については、近年の自然災害増加により保険料が上昇傾向にあり、エリアによっては水災補償が選択制になっていることもあります。買主は保険料を含めた総支払額で購入可否を判断するため、保険の加入可能範囲や概算保険料を初期段階で提示しておくと安心感を与えられます。さらに、調査(地盤調査・排水設備の点検・越水履歴の確認など)は、買主にとって“リスクを数値化できる重要な材料”になります。調査結果は、災害リスクを過度に恐れず冷静に判断するための拠り所となり、物件への信頼度を高めます。売主側が主体的に調査情報を提供できれば、買主の判断スピードが上がり、競合物件との差別化にもつながります。

4. まとめ

 ハザードマップに該当する不動産の売却は、「リスクがあるから売れない」のではなく、「正しい戦略で売れる物件に変えられる」ものです。大切なのは、リスクの正確な理解、買主の不安を軽減する情報提供、適切な価格設定、そして信頼できる不動産会社のサポートです。これらを丁寧に行えば、ハザード該当物件でも十分に高値売却は可能です。売却の事なら流山市の相続相談窓口・不動産売却相談窓口の八幡地所株式会社へご相談ください。
八幡地所株式会社<br>代表取締役 渋谷秀昭

八幡地所株式会社
代表取締役 渋谷秀昭

Hideaki Shibuya

購入した自宅を売却の際、不動産売買に興味を持ち実体験を活かしたく不動産業へ転職。売買専門の仲介会社、建売分譲会社で不動産売買の営業スキルを習得後、地元の流山市で地域密着会社として父が起業した八幡地所株式会社へ移る。
更なる流山市の発展に貢献できるよう現在は代表取締役として不動産売買の宅地建物取引業をメインに建設業・損害保険代理業を勤しむ。
なかでも不動産売買の相談や売買にまつわるお金に関する総合的な生活設計を行うプランニング、相続鑑定士として価値ある不動産の相続の相談に注力しております。

【保有資格】
●宅地建物取引士
●相続鑑定士
●2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP
●2級建築施工管理技士
●賃貸住宅管理業業務管理者
●損害保険募集人(火災・自動車・傷害)

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